起業と経営フォーラム&オンラインサロン

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クリティカル・シンキングを直訳すると「批判的思考」となります。

批判的というと、否定的な意味で何かを批判することを想起するかもしれませんが、ここでは、複眼的な視点から偏りのない判断力を養うことを意味しています。

もう少し具体的に説明すると、今の自分のものの見方は偏っているかもしれないという別の視点をいくつも持つことを通して、物事の本質をつかむ思考法のことです。

クリティカル・シンキングを身に付けることで、物事の本質を見抜いて正しい選択をすることができるようになるので、仕事で成果を生み出しやすくなり、人間関係にも応用できます。

クリティカル・シンキングの実践で、もっとも親しみやすいのが「ソクラテス式問答法」です。

古代ギリシャの賢者ソクラテスが、弟子を鍛えるために使った方法で、相手が解決策を思いつくよう導くような質問を行うのが「ソクラテス式問答法」の一番の特徴です。

具体的なやり方は、何らかの悩みについて考える時に、まず、自分の脳内にソクラテスがいることをイメージします。

そして、そのソクラテスに対して悩みを相談します。

すると、ソクラテスから「その根拠は?」「他のやり方は?」「そもそも悩みの原因は?」と疑問を投げかけられ、それに対して答えていくというものです。

これを繰り返していくと、本質的な回答に近づけるというわけです。

本書では、「ソクラテス式問答法」の質問が6つ紹介されています。

①明確化の質問

②前提調査の質問

③根拠の質問

④視点の質問

⑤影響と結果の質問

⑥疑問の質問

また、本書には「ソクラテス式問答法」に加え、さらにレベルアップしたトレーニング方法も紹介されています。

(1)弁証法的ライティング:思考を文字にして考える

(2)CAT法:4つの質問で普段と違う思考を鍛える

(3)CLS法:他人との議論で思考力を高める

(4)ケーススタディ法:事例をもとに思考を鍛える

(5)WOOP+C:目標達成の技法をクリティカル・シンキングに応用する